19人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぷーへい、捜しに行ってみる?」
「あてはあるのかい?階数は無いとはいえ、ただっ広い建物を無駄に歩き回るのは得策じゃないな」
やっぱりそうだよね。
私が大きなため息を吐いた、その瞬間の事。
突然、大きな音のサイレンが鳴り響く。
思わず肩を震わせ驚くと、座っていたぷーへいがいきなり立ち上がった。
『本日の、処刑の時間になりました』
「しょ……処刑の時間!?」
「もうこの時間……!?」
もう?
ぷーへいは、一度経験してる?
私はぷーへいに駆け寄り、ぷーへいに問いかけた。
「処刑の時間ってなに!?」
「たぶん1日1回、およそ30分間ある処刑の時間。処刑される人はいつもは順番なのに、その時だけは無差別に処刑して回ってるんだ」
無差別に処刑!?
頭おかしいんじゃないの!?
私はそう叫びたかった。
だけど叫んだところで何も解決しないのは、痛いほどわかる。
まず優先するべきなのは……
「ぷーへい!!カイトを探そう!!このままじゃカイトも危ない」
「ここに居たって殺されるだけだ。サヤさんの言う通り、今は動こう」
さすがぷーへい。
クラスで上位をいく賢さ。
即座に理解してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!