裁きの監獄

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プリズナーの内部は、かなり入り組んでいた。 同じ様な鉄格子の部屋が沢山あり、似た階段や廊下も同じく沢山ある。 ヒロの話ではプリズナーは、3階建ての小さな建物だという。 小さい為か似たり寄ったりの部屋を、無理矢理入れ込んだような構造になってしまったんだろう。 「裁きの監獄って、誰が造ったんだろうな」 俺は無意識に、そんな言葉を口走っていた。 それをヒロは聞いたのか、やけに流暢に話し始める。 「裁きの監獄は、日本の無人島に建てられたんだ。一応島全体が監獄島って言われてるけど、処刑が許されてるのはこのプリズナー内部だけ」 「……やけに知ってるんだな」 その言葉が気に障ったのか、ヒロは少し俯いてしまった。 カンテラに照らされず見えにくいが、少し肩を震わせて泣いているようだ。 言ってから後悔するって最悪だな、俺は。 「プリズナーを造ったのも、リビドーを作ったのも、ボクのお父さんなんだ」 「お父さんが?」 やっぱり聞いちゃいけない事を聞いてしまってたんだな。 「ごめん、無理して言わなくてもいいよ」 俺が謝ると、ヒロは首を横に振って否定した。 この様子だと、両親共に殺されたんだろう。 あの処刑人、リビドーに。
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