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ーー宗次郎sideーー
一緒に遊んでいた子供たちが気づいた屋根の上の人は宗次郎に目をやり少し固まったように見えたがすぐに屋根を飛び降り、町のほうへ走り出した
それを見るなりすぐに子供たちに向き合うと
「皆さん、私は少し用ができたので帰りますね?」
(少し面白そうなので追ってみることにしましょう)
にこやかに告げ、その場を去ろうとすると
「えーっ!!宗次郎兄ちゃん帰ってしまうん?あの人追うん?」
「またすぐ来て遊んでくれる?」
「宗次郎兄ちゃん次はいつくるー?」
子供たちからのたくさんの質問を受けたため
「暇なときは必ずここに来ますよ。」
と笑って答えた
男を追うかどうかには答えずに
「それでは皆さん、また遊びましょう。」
「約束やでー??」
「宗次郎兄ちゃんまたなー!」
子供たちの声を背に目は先程の男を追う
(……いました…あちらも私に気づいてるようですね…)
どうしようかと考えていると一瞬振り返った男が目の前の別れ道を左に曲がった
「あっ、そっちは行き止まり…。」
(……まぁ、私にとっては都合がいいんですがね)
そう思いながら少し早足に男が曲がった場所へと向かった
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