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いつからだろうな。
多分、文化祭のあたりからかな。
いつか、こんな日が来る気がしていた。
だから、自分でも気付かないうちに、悠先輩と過ごす日々を、
一瞬一瞬の出来事を必死に胸に焼きつけていた。
忘れないように、忘れないようにって。
いつか悠先輩の傍に居られなくなる日がきても、
悠先輩が寄りそってくれたから起こった奇跡を、なかったものになんか絶対したくなかったから。
私は、たくさん貰った。
悠先輩に、色んなものを貰った。
全部全部、かけがえのない、私の宝物だった。
私は…どうだったかな。
ちゃんと、あげられていたかな。
悠先輩は、私と一緒に居て、楽しかったかな。
私は、本当に本当に、毎日が楽しくてたまらなかった。
幸せだった。
他に何もいらないってくらい、毎日が嬉しくてたまらなかった。
全部、悠先輩が隣にいて、笑ってくれたからだ。
いくら感謝しても足りない。
それならばせめてこんな私でも、
最後まで、悠先輩の力になりたい。
正直、今は本当にいっぱいいっぱいで頭が上手く働かない。
だから、何も考えられなかった。
だけど、一つだけ。
考えるまでもないことがあった。
私は、あの時間違いなく―――
“―――好きな人、居るから”
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