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そんなこと言われて、真正面から優しい腕の中に包まれたら最後、涙腺は壊れてしまった。
今までの我慢していた分なんて一気に爆発させて、
必死で悠先輩に、しがみ付いた。
今まで閉じ込めてきた大きすぎる想いも、…溢れる。
「…私、もっ…会いたくて…っ…顔、見たくて…っ…寂しくて…ッ…」
「…うん…っ」
「し、…ッ…死んじゃうかと、思いましたっ…」
「俺も、同じっ…」
「…私…嘘つきましたっ…誰とも、付き合ってませんっ…!」
「うんっ…」
「私…私は、…っ悠先輩だけが好きですっ…私、本当に…ッ、悠先輩だけが…だいすきですっ…!」
―――重ねられた唇。
悠先輩の温もり。
もう二度と感じられないと思っていた。
それでも、間違いない。
間違いなく悠先輩は今、ここにいる。
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