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「そうだな。
もう。着くな。」
妙な間があって彼が話を合わせた。
急に悲しくなって、浮かれていた自分を説教したくなる。
宮前くんは何とも思ってないのに、ちょっとだけ普通に話した出来たからって何を期待したのだろう。
「わざわざお礼に入れてくれてありがとう。」
沈黙に耐えられずお礼を自ら強調して話を続けた。
バラバラと傘に当たる雨の音がうるさい。
ほんの少し前までは傘の中の空間しかなかったのに、周りの景色が色づいて傘の中は色褪せる。
駅まで少し。
このまま雨の中を走り出したい衝動に駆られる。そんなことをすれば宮前くんが驚くだろう。
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