駅まで少し

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※※※※※ 朝は雲がないくらいの晴天だった。 昼休みを過ぎたころから暗くなり、風が窓を揺らしてもうすぐ雨が降ると報せてくる。 今朝は外だけを確認して天気予報を見て来なかった。 もちろん、傘はない。 置き傘もないし、誰かの忘れ物の傘を拝借する勇気もない。 どうか帰りまでもちますようにと外を眺める。 「美央、傘持って来た?」 隣の席の香澄に聞かれて、無言のまま首を振る。二人の視線は暗くなった空だ。 「私もないんだよね。ヤバいよね。」 「降りそうだよね。帰りまでもつかな?」 「うーん。微妙? あ、でも陽斗が持ってるかも。」
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