駅まで少し

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最初のころは宮前くんに興味がなかった。 背が高くて、爽やかな顔の人だなが彼の印象。 それが一度だけ交わした会話を切っ掛けに急速に私の恋心が成長した。 「悪いんだけど、駅まで入れてくれない?」 香澄が陽斗くんと帰るので一人でノロノロと帰っていた時、後ろから駆けてくる足音と一緒に傘の中に入ってきた。 背の高い彼の頭は傘の内側にくっついていて、私の返事を聞く前から傘を奪い少し上からさしてくれた。 「ごめん。傘がなくて。駅まででいいから。」 「あ、うん。大丈夫。」 突然の出来事に驚いて、何が大丈夫なのか意味不明な返事をして一緒に歩き始めた。
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