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深見玄秋の葬儀は、特練棟の大広間の中で、
密やかに、厳粛に執り行われた。
政財界、ヤクザ、芸能界から、影の黒幕と呼ばれる様な大物だけが参列した。大山は、ずっと泣いていた。
両親を早くに無くした大山にとって、深見玄秋は父親の様な存在だった。
大山は、自分が『玄体』をマスターしてさえいれば、
あの時、玄秋を助けられたかもしれないと悔んでいた。
葬式が終わった後も、独り大山は、
日本庭園奥の梅園の椅子に座って肩を落としていた。
一十三がそっと近づき、後ろから優しく包みこんだ。
大山は、一十三の手を握り締めて
「有難う。一十三さん・・・」と言うと立ちあがり、
一十三を残したまま、泉警部と一緒に、特練棟を後にした。
何か、意を決したかの様な顔だった。
そう。玄秋が殺された直後、泉警部は、
大山に、雹を倒す、ある秘策がある、と言ったのだ。
それには、大山と半田利久の力が必要だと言う。
二人は半田を訪ねて、ひまわり孤児院へ行ったのだ。
泉の話を聞いて、大山と半田は「試す価値はあるが・・・」と考え込んだ。
そして、兎に角、作ってやってみるしかない、という結論に達した。
雹は、最後に、はっきりと、一十三を殺す、と言ったのだ。
もう、倒すしかない。あの、化け物を・・・
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