第1章

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 ついに、雹と一十三の対決の朝を迎えた。 白川は、掛かってきた電話に出る。 「武です。ちょっと、会って話がしたいんですがね」 いつもながら、ふざけてるのか、真面目なのか、分からない男だ。 「分かった。山王会本部屋敷に来てくれ。そこで話を聞こう」 「沖田さんと平井さん、居ます?」 「ああ。二人はいつも俺の傍にいるよ」 「結構。三人だけに話しておきたいんです。時間は、昼十二時という事で」 「ああ。今日の雹と一十三ちゃんの試合、あんたも見るんだろう?」 「ええ。特等席でね」 「そうかい。じゃあ、待ってるぜ」 「それじゃ」電話が切れる。 こんな時に、重要な話なのか? 白川の頭の中は、雹と一十三の試合の事で一杯だったのだ。 武道マニアの白川にとって、 映画『化物~けもの』の続きが気になって仕様が無いのである。  
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