第6話 隣の芝生…

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あの一件以来、 彼の声は小さくなり、 迂闊に聞いていると 催眠術にかかったように 寝入ってしまうくらいになった。 「呼んでいるよ」 「朱里さん、あの人ね、 ちょっと」 そう小声で言いながら ヨシキは、 のそのそ入って来ると 朱里の耳元に言った。 「カーリーさんって、 怖くないですか?」 「カーリー?」 朱里の頭の中に、 クルクル髪の毛が浮かんだ。 “違った、これはカーラーだ” 「朱里さん、 今、変な事を 想像したでしょう?」 朱里の考えていることが 判るのか、ヨシキは 悲しそうな表情をしてみせた。 「カーラーとカーリーを 間違えたでしょう? 朱里さんらしい発想ですね」
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