第6話 隣の芝生…

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「ゴチになりました。 いってらっしゃい」 そう言うと 勢いよくカーテンを閉める。 懐かれるのは 本物の犬だけでいいと 朱里は思った。 しばらく外で ぶつぶつ言っていたヨシキも 諦めて行った。 なぜか彼は 痛がっているようだったが、 朱里はそんな思いを させてないのになぁと 逆に思ったりした。 思えば、ヨシキは朱里の傍に いたがるようになってしまって、 うっとおしい以外なにもない。 売れっ子なので 上座に移動してくれれば いいのだけれど、それもせず、 何かを確認しようと しているのが殊更判るので、 朱里は近寄らないように 気を付けていた。
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