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「ゴチになりました。
いってらっしゃい」
そう言うと
勢いよくカーテンを閉める。
懐かれるのは
本物の犬だけでいいと
朱里は思った。
しばらく外で
ぶつぶつ言っていたヨシキも
諦めて行った。
なぜか彼は
痛がっているようだったが、
朱里はそんな思いを
させてないのになぁと
逆に思ったりした。
思えば、ヨシキは朱里の傍に
いたがるようになってしまって、
うっとおしい以外なにもない。
売れっ子なので
上座に移動してくれれば
いいのだけれど、それもせず、
何かを確認しようと
しているのが殊更判るので、
朱里は近寄らないように
気を付けていた。
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