第6話 隣の芝生…

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“こんな変なオバサンに 何があると言うんだか。 まぁ、いいや、 無視しちゃえ~。 そう言えば、カーリーって、 あのエジプトの 壁画みたいなのだったかな” ひと暴れして疲れを 覚えながら朱里は思った。 朱里は他人の顔を覚えるのに 苦労するタイプで、 時間や曜日で入れ替わるような、 この場所で出会う同業者すら よく覚えていない。 皆、本名は使わずに 雅号や好きな名前で 登録する中で、 ヨシキが言った そのカーリーなる人物は 印象に強かった。 確か髪の毛は普通だったけど、 アイラインが太くて 口紅が真っ赤で、と 思い返してみる。
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