第6話 隣の芝生…

11/35
前へ
/417ページ
次へ
こういう場合、 残っている占い師が 声をかけて、 自分の所に 連れて行く場合もある。 朱里は自分よりも 上座にいる人の動きを待った。 だが今日に限って 誰の靴音もしなかった。 “何だ?みんなで お昼に行っちゃったのかな。 仕方ないなぁ。 ん~、出ないと いけないかなぁ~、 でも面倒くさいなぁ、 必殺技を使うかぁ。 そうしよう” ぶつぶつと 独りで言い訳しながら 必殺技、 すなわち居留守を 決め込むことで 朱里は関与しないことにした。 カーテン越しに感じる 若い波ともう一つ、 何かが流れている気がする。 その流れはあまり 質が良いとは 言い難いものだった。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加