第6話 隣の芝生…

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朱里はカードを手にした。 朱里の所に来るお客には あまり使う事もないが、 たまには外の空気も 触れさせてやる。 ついでにヨシキが勝手に 朱里のスマホに入れて行った 彼のメアドを引っ張り出した。 帰って来ぉ~いよぉ~、と 当然ながら 彼は知らないであろう 昔の演歌歌詞を打ち込んで 送信して一人で笑った。 予約のシステムも あるにはあるが、 ほんの少しレトロな 雰囲気漂う この占い所では、 あまり難しいことは しないほうが多かった。 「誰だったかなこの歌手の人、 あぁ~、思い出せないぃ、 オバサンは嫌だなぁ」 「あのぉ、すいません。 お隣の…」 気が付くと カーテンを開けて、 若い女の子が 顔を覗かせていた。
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