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朱里はカードを手にした。
朱里の所に来るお客には
あまり使う事もないが、
たまには外の空気も
触れさせてやる。
ついでにヨシキが勝手に
朱里のスマホに入れて行った
彼のメアドを引っ張り出した。
帰って来ぉ~いよぉ~、と
当然ながら
彼は知らないであろう
昔の演歌歌詞を打ち込んで
送信して一人で笑った。
予約のシステムも
あるにはあるが、
ほんの少しレトロな
雰囲気漂う
この占い所では、
あまり難しいことは
しないほうが多かった。
「誰だったかなこの歌手の人、
あぁ~、思い出せないぃ、
オバサンは嫌だなぁ」
「あのぉ、すいません。
お隣の…」
気が付くと
カーテンを開けて、
若い女の子が
顔を覗かせていた。
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