第6話 隣の芝生…

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彼女は我に返って、 隣との仕切りの カーテンを見て、 気まずそうに口を ハンカチで覆った。 「そうですね。 今、貴女の星は そういう事を嫌がる所に 入っているんです。 だからそう思うんですよ、 思って当たり前なんです」 「え?そんなの 判るんですか?」 「判るんです。 ついでにどちらも勝気で 引かないっていうのもね」 苦笑いと共に言う朱里に、 彼女は驚いた顔を 隠さなかった。 この二人の盤には どちらも相手より 上になっていたい、 いつか相手を出し抜こうと、 お互いに思っているのが 現れていた。 目の前の大人しさは 見せ掛けである事も 多いものだ。 ついでに言うと 目の前の彼女の方が、 その傾向が強いのも 盤に現れていた。
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