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「世間話の相手を
して下さったお礼に、
良いおまじないを
教えましょう。
また何か腹の立つことに
出会ったら、
隣の芝生は、と
唱えてみて下さい」
「隣の芝生」
「貴女もお友達も、
そう思えば
ケガはないと思いますよ」
意味が解らなかったのか
彼女はスマホを取り出して
調べ始めた。
次第に難しい顔が
笑顔に変わり始めた頃、
椅子を引く音や
歩く音がし始め、
ヨシキが顔を覗かせた。
「お待たせしました」
「あ、私は、
今日はいいんです。
友達を連れて来ただけなので」
そう言うと彼女は
朱里に一礼して、にこやかに
笑みながら帰って行った。
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