第6話 隣の芝生…

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「世間話の相手を して下さったお礼に、 良いおまじないを 教えましょう。 また何か腹の立つことに 出会ったら、 隣の芝生は、と 唱えてみて下さい」 「隣の芝生」 「貴女もお友達も、 そう思えば ケガはないと思いますよ」 意味が解らなかったのか 彼女はスマホを取り出して 調べ始めた。 次第に難しい顔が 笑顔に変わり始めた頃、 椅子を引く音や 歩く音がし始め、 ヨシキが顔を覗かせた。 「お待たせしました」 「あ、私は、 今日はいいんです。 友達を連れて来ただけなので」 そう言うと彼女は 朱里に一礼して、にこやかに 笑みながら帰って行った。
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