第6話 隣の芝生…

24/35
前へ
/417ページ
次へ
学業修了して 幾ばくもなさそうな 年齢のヨシキは 何処となく 幼さが感じられるところが 女性陣に受けるのだろう。 だが朱里の場合は ヨシキを見て、家の犬を、 人懐こくて あまり番犬にはならない、 連想してしまうので つい、 お座り!と言いたくなり、 苦笑いを堪えるのに 苦労していた。 もちろん本人には 内緒だが、 勘良いヨシキは 気が付いたように 朱里を見ていた。 「朱里さん、もしかして なんか、笑ってます?」 「え?えぇっと…」 「口端が上がってますよ」 ヨシキも判っているのか 笑いながらそういうのに、 内心どうするか、と 考え込んだ朱里の耳に 元気な声が聞こえた。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加