第6話 隣の芝生…

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「……」 「でも声は判るよ。 ふっと誰かの顔が浮かぶと 耳元で聞こえるんだ。 もう終わりだなって。 それは大抵当たる」 「終わりって?」 「死期の事」 朱里は強張った顔つきの ヨシキに笑って見せた。 「占いと一緒でさ、 結果が出ないと判らないでは、 どうしようもないよね。 常識で考えれば、 こんな話を他人が 判ってくれる訳がないし、 見える・聞こえる っていう事は いい事じゃないもの。 むしろ異端だと思う。 空想大好き、妄想ばかりの オバサンのたわごとで 済ませるのが 一番いいと思うよ」 そう言われて ヨシキは黙った。
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