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「……」
「でも声は判るよ。
ふっと誰かの顔が浮かぶと
耳元で聞こえるんだ。
もう終わりだなって。
それは大抵当たる」
「終わりって?」
「死期の事」
朱里は強張った顔つきの
ヨシキに笑って見せた。
「占いと一緒でさ、
結果が出ないと判らないでは、
どうしようもないよね。
常識で考えれば、
こんな話を他人が
判ってくれる訳がないし、
見える・聞こえる
っていう事は
いい事じゃないもの。
むしろ異端だと思う。
空想大好き、妄想ばかりの
オバサンのたわごとで
済ませるのが
一番いいと思うよ」
そう言われて
ヨシキは黙った。
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