第6話 隣の芝生…

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「あ、朱里さん、 まさか人間以外に お知り合いが」 「そうか。私は人間だと 思っていたけど、 聞いたことが なかったなぁ~。 うんうん、 今度聞いて来るね」 あっけらかんと言われて ヨシキは がっくりと肩を落とした。 「朱里さん」 「あっ!財布忘れたぁ! ぎゃ~、帰らなくっちゃ。 ちょっと、そこにいてねっ!」 呆然とするヨシキに そう言って、走って 行ってしまった朱里の後を、 黄色く染まった葉が 風に吹かれて 追いかけて行った。 了
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