第7話 かぶせ物

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本で見たマンモスのように フリーズドライには されたくないので、 朱里は自主的に回避行動を とっているものの、 雨が降ったらどうするか、 風が寒いよぅ…とぼやいて、 道端の植え込みの柵に 腰かけていた所に、 この小さなお客様だった。 薄いピンクのトレーナーに 所々黒いリボンが付いていて、 朱里は一瞬、 きくらげかと思った。 「中華丼のきくらげ、 おいしいんだよねぇ」 「だからねぇ、 ねぇ、聞いてる?」 「あ、はいはい。 聞いてますよ~」 少女はなかなか 良い突っ込みをするので、 慌てて応えて、身を屈めて 聞く体勢を取った。
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