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「あったか~い」
「ここで冬眠なんか
しないで下さいよ」
「変温動物じゃないから」
「変態動物…」
「殴るぞ」
「それは蹴るっていうんです」
朱里は足を上げてみせ、
それにヨシキは苦笑いで
指摘して来た。
この頃すっかり
先をうたれている気がする。
が、それもまた
心地良いものだった。
ココアを開けてやりながら、
朱里は誰にともなく言った。
「温かい飲み物ひとつで
気持ちも温まるね。
言葉と一緒だ」
「え?」
「アヤカ!」
「あ、ママ」
そこに占い所から出て来た
三十前後の女性は朱里を見て
訝しそうにしながらも
頭を下げた。
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