第7話 かぶせ物

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「あったか~い」 「ここで冬眠なんか しないで下さいよ」 「変温動物じゃないから」 「変態動物…」 「殴るぞ」 「それは蹴るっていうんです」 朱里は足を上げてみせ、 それにヨシキは苦笑いで 指摘して来た。 この頃すっかり 先をうたれている気がする。 が、それもまた 心地良いものだった。 ココアを開けてやりながら、 朱里は誰にともなく言った。 「温かい飲み物ひとつで 気持ちも温まるね。 言葉と一緒だ」 「え?」 「アヤカ!」 「あ、ママ」 そこに占い所から出て来た 三十前後の女性は朱里を見て 訝しそうにしながらも 頭を下げた。
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