第7話 かぶせ物

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傍にいたヨシキも一礼して、 少し離れた柵に移動した。 「すいません、子供が」 「いいえ。良いお話し相手に なって下さいましたから」 スーツを着て一見すると キャリアウーマンのような、 きりっとした印象の母親は 朱里の首にぶら下がる ネームプレートを見ていた。 それと知って朱里は 少し笑んで応じた。 「今ちょうど休憩中で、 外の空気を吸っていた所です」 「そうですか。 こちらの占い師の方でしたか」 「お座りになりますか? 空の雲がきれいですよ」 街路樹の枝の合間から 見える空は青く、高く、 ぼんやり見ていると 時間を忘れそうな気がした。 その間に、 隣に腰かけた母親の事が 頭の中に映像として 浮かび上がってくる。
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