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“うは~、来たぁ~。
なんで外まで
付いて来るかなぁ。
私のお客じゃぁないのにぃぃ”
そう心に呟きつつも
決して口は開かずに、
言える訳もないのだが、
朱里は黙っていた。
三人でしばらく黙って
見上げていたが、
沈黙に
耐えきれなくなったのか、
先に母親の方が口を開いた。
「あの、占い師さん。
こう言ってはなんですけど、
あの、カーリーさんと言う方は
本当に当たりますか?」
またその名前か、
朱里はそう思った。
この頃、カーリーという名の
占い師に対する評価が
二分していると
事務方がぼやいていたのを
小耳に挟んでいた。
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