第7話 かぶせ物

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「実際に会った事はないけれど、 あの疾患持ちかもしれない。 あれはどうしようもないかも。 付ける薬がないって言うしなぁ」 前職で 心のケアを担当していた頃に 取敢えず本で習った奇妙な 病質の事を思い出しながら 思わずため息をついた。 その病質の判断の難しさは 治療方法に匹敵する。 改善の見込みがないとさえ 言い切る本もあったくらいだ。 朱里は医者ではないので 本当に彼女がその病質なのか、 わからずに言い出せずにいた。
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