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その背を見送り朱里は言った。
「突然ですが、
このお子さんはとても無理を
していませんか?」
指差した紙に
書かれた名を見て、
母親は朱里を凝視して来た。
少女が言っていた、
真ん中のお兄ちゃんだった。
そして朱里は
一番下の名前にも
指を向ける。
「彼女も、ですね。
あの齢にしては
物わかりが良すぎる。
しっかりしていていいけれど、
どちらのお子様も
我慢していますね」
「な、なんで?」
朱里が見たのは
新しい母親と
兄弟姉妹に気を使って、
いつも陽気に振る舞う
男の子の姿だった。
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