第7話 かぶせ物

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血族で争う、あるいは 新しい御縁を 築くことが出来ない そう言った事例には 根本的な対策が必要なので、 客のやる気具合に 寄るしかない。 言うに言えない気持ちを 押し殺す朱里に 彼女は言った。 「子供の事、 どうして判るんですか? もしかして、 娘が言っていました?」 「いえいえ、 生年月日を見れば判りますし、 仕事ですから」 そうあっさりと答える。 見えました、 なんて言えない。 追求されるのをかわすように 一気に朱里は言った。 「これは鑑定では ないので少しだけ。 お客様は苦労を乗り越える 力がありましたが、 この子たちには ありませんので、 自分で何とかしなさい、 だけは言わないで 応援してやって下さいね。 そうすると 二人は必ず貴女の 味方になってくれますよ」
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