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特に今の母親の
心理状態では
何を言っても
受け付けないだろう、
そう思って朱里は
彼女の様子を伺った。
母親は継子に対する感情も
読み取られて
驚いた顔をしていたが、
それを責めるでもなく、
肯定する朱里に
居心地の悪そうな
表情を見せた。
「お仕事で
そこまで判っちゃいます?」
「でないと
食べていけませんので」
ちょっと笑いめかして言うと
母親は涙目で笑ってくれた。
頭の回転の良い彼女には
それくらいでも伝わる事も
判っていた。
そこに少女が戻って来て、
朱里は立ち上がった。
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