第7話 かぶせ物

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特に今の母親の 心理状態では 何を言っても 受け付けないだろう、 そう思って朱里は 彼女の様子を伺った。 母親は継子に対する感情も 読み取られて 驚いた顔をしていたが、 それを責めるでもなく、 肯定する朱里に 居心地の悪そうな 表情を見せた。 「お仕事で そこまで判っちゃいます?」 「でないと 食べていけませんので」 ちょっと笑いめかして言うと 母親は涙目で笑ってくれた。 頭の回転の良い彼女には それくらいでも伝わる事も 判っていた。 そこに少女が戻って来て、 朱里は立ち上がった。
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