第7話 かぶせ物

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「でも朱里さん、 お金取らないでいると、 このままだと一番下に なっちゃいますよ」 「あ、それいいね」 「は?」 ヨシキの声に突然、 朱里は手を打って答えた。 「そうすれば二人に 挟まれないで済むし、 すみっこの 安住の地を得られる! よし!マリさん、 交換しよう」 「わ~、待って下さいよ 朱里さん」 「なんじゃぃ?」 「だからマリさんと、 その、もう一度、えーと…」 しどろもどろになるヨシキを 少しだけ冷めた目で眺めて、 朱里はきっぱりと言った。 「はい、じゃ、三十分 三千円でお伺いします」 「え~っ、お金取るのぉ?」 「そこに座れば お客さんでしょ。 ほれほれ! さっさと支払わんかぃ!」
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