第8話 その後に…

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向こうに見える舞台では 癒しに関した歌や 踊りが披露され、 その音に自分が 何を言っているかも 判らなくなり、 挙句には、 癒し効果のあるという ふれこみのお香が漂って来て、 殺虫剤をかけられた 虫のごとくに 弱りかけていた。 “お香は好みがあるでしょ~。 あぁ、音がうるさいよぅ、 リモコンはどこだぁ! もっと音を小さくしたいよぅぅ” いつものようにぼやく 朱里のいる場所は 人の流れから外れたホール端で、 人ごみが苦手なので ここを確保できたのは 良かったが、 脱走しようとする朱里を 阻むのは隣にいる ヨシキだった。
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