第8話 その後に…

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いつものボヤキが 出てしまって、 慌てて言うとお客さんは 笑ってくれたものの 朱里は気を引き締めた。 ここに居並ぶ 大勢のお客さんは、 実の所、大半が 同業者なのだった。 イベント名の “いやしてフェア” なんて誰が付けたものか、 占い師にとっては 癒されるどころか、 気持ちが休まらない、 恐怖のイベントなのだ。 プロから 駆け出しまで様々だが、 自分にはない鑑定の仕方、 接客の仕方を学びに やって来るイベントでも あるので、 朱里も それ相応にせねばならず、 さらなるストレスに 見舞われながらも、 神妙な顔つきで 鑑定をするしかなかった。
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