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彼自身もなぜこんなに
感情が止められないのかが
不思議なくらいだった。
ふと、
朱里とは反対側から声がした。
「ねぇ、またやってる」
「ほんとだ」
若い二人の占い師は
仲が良いのか、
ヨシキを通り過ごして
朱里に目をやっていた。
お客が来れば、
姿勢を正して毅然とした姿は
目を引くものがあるのに、
今は頬杖を付いて、
行きかう人をぼんやり
眺めているだけなのだが、
それが彼女たちには
おかしく見えるのだろう。
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