第8話 その後に…

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客引きもせず、 他の占い師が来れば お客を連れて行かせる、 朱里のやり方は 彼女たちの想像を 超えているらしかった。 その言葉が尚の事 自分を苛々させているとも 気付かずにヨシキは朱里に 押し殺した声で言った。 「朱里さん、 もう少しやりませんか?」 「 …… 」 「朱里さん?何を見て…」 ヨシキは 自分の足元に向けられた 朱里の視線を追って見て、 思わず言葉を失くした。 そこには 一枚のタロットカードが 落ちていて、あろうことか 足跡も付いていた。 焦って拾い上げると 確かに自分のカードで 一枚足りない状態で お客を観ていたのかと思うと 恥ずかしさに 項垂れてしまった。
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