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独り勝手に苛々して
挙句のこの様では
朱里にせせら笑われても
帰す言葉がない。
だが朱里は何も言う事もなく
立ち上がった。
「お手洗いに行ってくるね」
そう言って朱里は
さっさと行ってしまった。
後には朱里の事を笑う声が
ヨシキの耳に響くだけだった。
ベックラサイトは海に近い。
外に出ると風に乗って
海の香りがした。
晴れてはいるものの、
少し薄い雲が出ている。
ホール外の通路から見ると、
建物前の広場でも
大勢の人がいた。
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