第8話 その後に…

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独り勝手に苛々して 挙句のこの様では 朱里にせせら笑われても 帰す言葉がない。 だが朱里は何も言う事もなく 立ち上がった。 「お手洗いに行ってくるね」 そう言って朱里は さっさと行ってしまった。 後には朱里の事を笑う声が ヨシキの耳に響くだけだった。 ベックラサイトは海に近い。 外に出ると風に乗って 海の香りがした。 晴れてはいるものの、 少し薄い雲が出ている。 ホール外の通路から見ると、 建物前の広場でも 大勢の人がいた。
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