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「だいたいね、
朱里さんも変ですよ。
言われて悔しいとか
思わないんだから」
「その人に認められなければ、
生きていけないの?」
「ええっ?」
驚いて顔をあげたヨシキに
朱里は少しだけ笑んで続けた。
「認められなくても、
死なないでしょ?」
そんな事は
考えた事もなかったヨシキは
何と答えていいのやら判らずに、
ぎこちなく、ただ頷いた。
「は、はぁ、まぁ」
「それなら、ほっとけばいい」
きっぱり言い切った朱里を
ヨシキは見返した。
「迷ったらこう思えばいい。
人の評価は
棺桶に入った後に決まる、って」
ぽかん、とした顔つきのヨシキに
朱里は笑って見せた。
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