第8話 その後に…

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それは若い者には 判りにくい事は判っていたし、 また、若い者が判っては いけない事でもあった。 なぜなら、 その評価を求めて、 あくなき野望を抱き、 努力をして自ら傷ついて、 また磨かれてを繰り返して、 それでこそ人として 光るのだから。 それは見た目、 ダイヤの原石が 普通の石のように 見えるのと同じで、 たった一度の磨きとカットで 転がって隠れてしまったものは、 二度と磨いてはもらえないので、 宝石には成り得ない。 表舞台に立つことは なくなるのだった。 磨かれてカットされて 痛いのは判るが、 その痛みは若いうちにしか 乗り越えられないもので あることを朱里は知ってもいた。
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