第8話 その後に…

29/37

110人が本棚に入れています
本棚に追加
/417ページ
急な人の配置は 出来ないと言われて 途方に暮れていたら、 朱里が行ってもいいと 言ってくれたものの、 ヨシキは朱里が どれだけ人波が嫌いで、 他人には 見えないものから 視線をそらすのに 苦労しているかも 何となく知っていた。 助けられないものは見ない、 そう言って朱里は笑うが、 その表情は 冴えないものだった。 「辛気臭い顔していると ネギで叩かれるぞ~」 「はぁ?なんでネギ?」 それに朱里は答えずに 笑って立ち上がった。 どんなにいらついて 八つ当たりしても、 朱里は何一つ 文句を言わなかった事に ヨシキは気が付いた。 そしてそれが 朱里なのだと思った。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

110人が本棚に入れています
本棚に追加