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いつものように
黒いスーツを着て、
喉元をスカーフで
包んだ朱里は
駅の方を見ながら言った。
「もう帰っていいよね?
直帰してもいい?」
「え?ダメダメ、
ダぁメぇです!帰って
報告しないといけないし」
「やっといて~」
「駄目」
「え~っ、また、
あのどんくさい
ウニカモネに乗って帰るの?
軽トラに抜かれる電車って
ありえないでしょ?」
朝、ここに来る時に
出会った光景が
いまだに衝撃的なのか、
朱里の頭の中には、
ウニカモネ=どんくさい電車、に
なっていた。
自動運転なので
風の強さによって
速度が変わるので
仕方がないのだが、
朱里には納得しがたい
ようだった。
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