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ホール端と言う事と、
休憩中のお客さんとの
区別がつきにくい事、
何より朱里の鑑定の早さが
誤解を招いたものの、
イベントチラシに付いた
三角形の無料鑑定チケットを
一番多く受け取っていたのは、
朱里だったのだ。
ぼんやりしていたのは
使った力を
クールダウンさせて
いたせいで、
ヨシキの隣の二人は、
自分の鑑定に必死で
朱里の鑑定姿を
まったく見ていなかった事も
承知していたし、
それでいいとも思っていた。
彼女たちの鑑定の声は
まだ不慣れに近かったから。
それを承知しているような
その男は、
男にしては背が低く、
柔和に微笑むさまに
呆気に取られていた
ヨシキは我に返った。
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