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「あんたの
聞き間違いじゃないの」
「何言ってんのよ!」
「ちょっと、
ちょっと待って下さい。
カーリーさん、カツラさんの
言った事は本当ですか?」
カーリーの、
化粧をまんべんなく
塗りたくったような
色つきの顔に見られると
ヨシキも
体が強張る気がした。
彼女は、いつもは明るく
自分の事をよっちゃんと
呼んでくれていたのに、
今日はなぜか
投げやりでさえあった。
「知らないわよ」
「えぇっ?」
「嘘言わないで、
はっきり言ったら!」
「おはようございまぁす。
電車遅れましたぁ、
って、あれ?
どうしました?」
入口から聞こえた、
のんびりとした声に
皆は我に返った。
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