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「聞いて下さい…」
そう言って
事の顛末を説明すると
朱里は黙ったままでいた。
この占い所に
平日の昼間のみに出て来る
朱里に合わせて、ヨシキも
また同じようにしていた。
身入りとしては
週末の方が良いのだが、
混雑を嫌う朱里には
このくらいがちょうど良かった。
もちろん、体力のある者は
週末にも出ていたりもする。
話を聞いた朱里は頷いた。
「それはお気の毒に。
狙われましたね」
「え?」
そうあっさりと言う朱里には
カーリーがどういう人かも
判っているような気がして、
ヨシキは
お預け中の犬のように
じっと朱里を見つめた。
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