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だが、朱里のような
ゴーインにマイウエ~を
相手にしていると
人気も席順も、
ヨシキの中では
どうでも
よくなってきていた。
それどころか、
カツラのどことなく
粘着質のような雰囲気が
気味悪く感じられるようにも
なっていて、
ヨシキはゆっくりと身を引いて
カツラから離れながら言った。
「あ、いえ。すいません。
きっと忘れたか、
何かだと思います」
「ほんとぉ~?
よっちゃんてさ、この頃、
隣のオバサンと仲良いから
移っちゃったんじゃないの?
年寄りのボケがさ」
そして近寄られるのを
嫌がるようなヨシキの耳元に、
わざと口を寄せて言った。
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