第9話 鶏肉料理

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「朱里さぁん!」 「おすわり!」 「ぐわぁぁ」 不満げに一声鳴いて 椅子に腰かけたヨシキに 厳しく言い置いた朱里は、 我知らず安堵した。 年齢を考えろと言いたかったが、 どこか子供っぽいヨシキには 通じそうもないし、 二度も赤面させられるのは ごめんだった。 「鳥の蒸し焼きも おいしそうだな、 いや、ここはやはり…」 「やはり、ってなんですか?」 腕組みをしながら、 つぶやくように言われて 次第に不安になるヨシキに 朱里は言った。 「鳥小屋に帰れ」 「…ハイ」 すごすごと 戻るヨシキの後ろ姿を、 ネギを持ったカメが 見送っていた。 了
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