第10話  おひとり様

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「あの、お願いします」 「あ、はいっ」 ぼんやりしていたので 声が大きくなったが、 入って来た女性を見て さらに驚いた。 眼鏡をかけて、 髪を後ろで束ねて、 色白の顔。 何処となく朱里に似て、 似つかない美人が立っていた。 じっと見られている事に どうしようかと、 彼女は一度咳払いをして、 ヨシキは我に返った、 「あ、すいません」 「いえ。あの、この方と うまく行くか、 見て頂きたいのですが」 そう言って 生年月日の書かれた紙を 差し出した。
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