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「え?ええと」
「いいんです。
どうなるか、
知りたいんです」
勢いに押し切られて
カードをめくると、
それを見た彼女は
大きくため息をついた。
「あぁ、やっぱり。
やっぱり駄目なんだ」
「あの、お客様。
ここだけで断言は
できないので…」
「いいえ。
ここに出る最終カードは
未来そのものです。
きっとこうなるって
カードが言っているんだもの」
「詳しいんですね」
そう言われて
彼女は我に返った。
「占い、
やっているんですか?」
「い、いえ、あの」
そう言って
押し黙ってしまったものの、
食い入るように目だけは
カードを見つめていた。
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