第10話  おひとり様

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たまにこうやって占いを かじった事がある者が 訪れたりもする。 そう言う場合は 気にしないか、 相手が上手に 躱すかで済むのだが、 彼女の場合は そのどちらも 出来ないくらい熱が 入っているようだった。 ヨシキは面白くない気持ちを 再び思い出して、 それでもカードに集中した。 これは彼女を含んだ 三角関係の行方なのだろう。 自分で占って 納得できなかったから、 お客としてやって来たのだ、 そう思った。 次の質問のリーディングを 始める前にヨシキは聞いた。 「最後だけ開けますか?」 本来なら順を追って 読み解いて行くものなのに、 結果を知りたそうだったので、 あえて聞いてみると 彼女は黙って頷き、 見せられたカードに 呆然となった。 そこに現れたのは 順調など 良い状態を現すカードで、 少なくとも 先に出たカードよりは 良いものだった。
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