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するとそこにはまだ
お客さんと向かい合う
朱里がいて、
慌てて退いた。
「おや、よっちゃん。
タカさんは元気かい?」
「あ、はい。すいません、
まだ病院が良いらしくて」
「タカさんらしいな」
初老の男性に声をかけられて、
おずおずと顔だけ
カーテンから出して、
ヨシキは挨拶をした。
細い体の老人は
杖をついているものの、
背筋はぴんと伸びており、
着物でも着せたら
さぞ似合うだろうなと思った。
「ヨシキさん。
タカさんのお客様ですよ」
そうやって、
いつものように朱里が
紹介をしてくれるのだが、
今回は何となく
恥ずかしい気がした。
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