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そこには
日付と盤が書かれていて、
そのわきにはびっしりと
文章が並び、
その細かさに目が
引き寄せられるようだった。
「その誕生日の人は
見ていないなぁ~。
書き忘れはしないから、
まちがいかもね」
「すべてのお客さんの事を
書いてあるんですか?」
「そう。だって、まだまだ
修行中の身だもの。
あぁ言えば良かったって
いつも思うから、
勉強も兼ねて、
何度も読み返しては
覚えようと思って」
驚くヨシキに、
メモを取るのは
前職での名残だと朱里は
こともなげに言って、
カーテンを潜って、
ヨシキの方にやって来て、
残された二枚の紙を見つめた。
誕生日があれば本人が
いなくてもある程度は判った。
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