第10話  おひとり様

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若いヨシキにとっては 初めて知るような事実に 呆然となった。 三角関係はもとより、 ハセクラと朱里の 2人の関係が、 何でもない事の方が ヨシキの元気を復活させた ようだった。 「じゃ、朱里さんの 本当の誕生日って、 いつですか?」 「教えてあげないも~ん」 「え、あ、そうですね」 歌うように言われて ヨシキは苦笑いで 引き下がった。 こういう仕事に 携わる者として、 生年月日を曝す事は 自らを曝すのと 同じ事だった。 年齢が 明らかになる事よりも、 生まれ持った星、 それらを知られて、 己の行く先を 塞がれる事の方を恐れた。 朱里の場合はうまい具合に、 自己申告がなければ 明らかにはならないように なっていた。
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