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若いヨシキにとっては
初めて知るような事実に
呆然となった。
三角関係はもとより、
ハセクラと朱里の
2人の関係が、
何でもない事の方が
ヨシキの元気を復活させた
ようだった。
「じゃ、朱里さんの
本当の誕生日って、
いつですか?」
「教えてあげないも~ん」
「え、あ、そうですね」
歌うように言われて
ヨシキは苦笑いで
引き下がった。
こういう仕事に
携わる者として、
生年月日を曝す事は
自らを曝すのと
同じ事だった。
年齢が
明らかになる事よりも、
生まれ持った星、
それらを知られて、
己の行く先を
塞がれる事の方を恐れた。
朱里の場合はうまい具合に、
自己申告がなければ
明らかにはならないように
なっていた。
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