第10話  おひとり様

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彼女は、 占い師の名前ではなく、 出入り口から数えた部屋を 記憶していて、 間違えていたそうだ。 すなわち、 これまで彼女を 占っていたのは、 入口に近い朱里ではなく、 入口から遠いカーリーだった。 通路は雰囲気を出す為に 少し暗いので判りにくく、 さらに彼女自身も方向感覚を 保ちにくい性質であることが 災いしたらしい。 だが、ヨシキに 占ってもらった時に、 カーリーの隣からは 男の声はしなかった事を 思い出したのだと言う。 時間と曜日で交換出店する この占い師たちを 彼女が どう捉えていたかは 判らないが、 なんにせよ、 彼女に恨まれていたのは カーリーで、 カーリー自身は 彼女に刺されて入院した。
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